大人のアトピー原因のトップは、ハウスダストでした。
子どもだけでなく大人も数多く発症するアトピー性皮膚炎。その原因を調べてみると、子どもは食べ物が原因のケースが多いのに比べ、大人たちは食べ物ではなくハウスダストによるものがほとんどでした。アトピーとは、アレルギー因子(アレルゲン)が原因で発症する病気。アレルゲンを体内から排除しようとする、からだの防衛本能によるものです。そして、その原因がハウスダストにあるのであれば、ハウスダスト対策を念入りにする必要がありますね。
■大人のアトピー原因〔代表例〕 | ■子どものアトピー原因〔代表例〕 |
・ダニ |
・卵 ・牛乳・乳製品 ・大豆 ・小麦 ・米 ・エビ・カニ ・魚 |
ハウスダストってなに?
アトピー対策のファーストステップは、その原因を知ること。
アトピーは、ひとつの原因因子で起こるよりも、複合して発症することが多い病気です。子どもたちのアレルゲンに食物が多いのは、まだ胃腸が未発達のために十分に消化できないため。それに比べて大人たちは、ハウスダストやストレス、環境が複合して発症するケースが多く見受けられます。では、アレルギー因子トップのハウスダストとは何者なのでしょうか?
〔ハウスダストとは?:へ~、ホコリだけじゃなかったのね。〕
ハウスダストは、室内にある汚れ物質のこと。具体的には、室内に浮遊するホコリやカーペットや家具などに潜むダニとそのフンや死骸。さらにカビや花粉、ペットの毛などのことを示します。ハウスダストはプラスに帯電していて電気的に反発し合って空気中を浮遊しているため、口や鼻を通して気管から体内に入ります。
アトピーのアレルゲンとなるダニは、人や動物の毛やフケ、食べ物の残りかす、カビなどを餌に室内で繁殖するチリダニ類です。ダニの繁殖シーズンは夏ですが、ハウスダストを調べてみると夏よりも秋のほうがダニのフンや死骸が多くなり、ハウスダストの量が多くなります。またダニの一生は2~3ヶ月ですが、室温20度以上で湿度50%以上の条件ならばダニの卵はふ化します。つまり、エアコンなどによって1年じゅう快適な温度を保っていると、秋以降もダニが多量に増えてしまう恐れがあります。
また、もうひとつの代表的なアレルゲンであるカビは室温25度・湿度70~80%の環境を好みますので、湿気がこもりがちなお部屋は要注意です。
ハウスダストをやっつけよう!
積極的な換気とおそうじに心がけましょう。
〔高温多湿を防ぐ換気〕
ダニやカビは湿気がこもった高温多湿なお部屋でどんどん繁殖します。ですから、普段から積極的に換気を行って、湿気をお部屋から追い出すことが大切です。できれば1日じゅう窓を開けたままにしたいけど、外から入ってくるホコリや花粉を考えると心配。また冷暖房効率から考えても、なかなか開けたままというのも難しいはす。そこで効率的に換気できるように、給気口はつねに解放にしておきたいものです。もちろん給気口にはエリアもお忘れなく!外気に含まれるホコリや花粉、ディーゼル粉塵などのアレルゲンを効果的に取り除き、新鮮な空気をお部屋に行き渡らせます。
〔おそうじのアレルゲン対策ポイント〕
ダニやその死骸などのハウスダストは、お部屋のふとんやカーペット、クッション、ぬいぐるみなどで発生し、お部屋の中に舞い散ります。そのため、フローリングや畳のうえにも思った以上にハウスダストがあります。いきなり掃除機をかけるのではなく、紙モップなどでササッとハウスダストを取り除くのがポイント。掃除機だけの場合、その排気で取り除きたいハウスダストを空中にまき散らしてしまうことになります。